根っことつぼみ

ロックダウンの特徴的な音の一つは、誰もいない通りの不安な静けさで、時折、鳩や葉の音が聞こえるだけです。世界中の都市でロックダウンが行われていますが、この一瞬の休息は、息苦しいほどの不安感以上のものをもたらします。それは、都市生活がどうあるべきかを見直す機会であり、都市が人間に奉仕するためにはどうすればよいかを問いかけるもので、その逆ではありません。その答えは、私たちの種としての運命と、地球の健全性を決定づけるかもしれません。

 国連によると、都市には世界人口の半分が住んでおり、2030年には3分の2以上になると言われています。エネルギーを大量に消費するこれらの都市は、世界のエネルギー関連の温室効果ガス排出量の約70%を占めています。また、都市は、気候変動による海面上昇や異常気象に対して非常に脆弱です。だからこそ、今年の11月に開催されるCOP26で、世界の指導者たちが地球温暖化を1.5℃(またはゼロ)に抑えるための方向性を決定する際には、都市生活が明日の姿を決定する上で重要な役割を果たすのです。

 今号のリサージェンス&エコロジストでは、生きている都市を巡る旅にお誘いします。歴史的なルーツから、都市を支えるエネルギー、そして最後には変化の芽まで。この道のりをナビゲートするために、私たちは2つの新コーナーを設けました。エコロジーの第一法則を反映した「Connected Life(生物のつながり)」と、変革のための刺激的なアイデアや行動を紹介する「Positive Action(建設的な活動)」です。その中で、ブレンダン・モンタギューは、ビクトリア朝のロンドンで起きた「大悪臭」がいかに未来への教訓となっているかを示し、サウミャ・ロイ(Saumya Roy)はムンバイの埋立地の住民に話を聞きます。モティア・ラーマン(Mothiur Rahman)は、都市生活の多様性が、成長への依存から脱却する道を切り開くのに役立っていることを探り、エリー・ハリソンは、より良い公共交通機関を求める社会活動の一環として「Bus Regulation: the Musical」を上演します。また、ジニ・レディ(Jini Reddy)がロンドンの街角で魔法を見つけたり、ストリートアーティストのモナ・キャロンが「雑草」に新たな意味を与えたりと、想像力を働かせる場も用意しています。

 これらの物語やその他の物語を通して、私たちは、生きている都市のスカイラインに縁取られた希望のビジョンに参加していただきたいと思います。

マリアン・ブラウン は、リサージェンス&エコロジスト誌の編集者です。(翻訳:沓名 輝政)

Roots and Buds • Marianne Brown

A journey through our living cities

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リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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