未来のパワーを植え付ける

クレア・デュボアは、彼女の植林の使命を語ります。

翻訳:馬場 汐梨

自然界の代表として、あなたはどのように改革を始めますか?これは、女性先導の森林再生慈善団体である「TreeSisters」を始めるずっと前から、私の前にあり中心にあった質問でした。「TreeSisters」は世界中で 700 万本以上の木を植え、今年の 3 月末までに 10 万本を目指しています。

 「TreeSisters」は、私が氷の上で滑ってしまった時に境界から飛び出るのを文字通り止めてくれた、木との衝突から生まれたものです。人間が境界から飛び出るのを止める木というメタファーは私にとって重大なものでした。実際、大気中の二酸化炭素は安全なレベルをはるかに超えていて、それは植物の食べ物でもあるということを考えると、木を植えるということは世界がとるべき最も論理的な行動であると急に思えてきたのです。もし私たち 1 人 1 人が木を植えることを生活の中心にしたならば、誰も想像したことがないほどに早く森林を再生することができるでしょう。これは 1 つの選択肢です。

 「TreeSister」は社会変化と熱帯雨林再生の組織として創設し、熱帯で広範囲に森林再生する努力と同じくらい、地域の森林再生プロジェクトを呼び起こすことに注力しています。私たちは、女性たちが自分の身体とリーダーシップの両方をサポートし養うため、個人的に会えるコミュニティを提供していますし、またオンラインで、グローバルネットワークによるエンパワーメントを経験できるようにしています。私たち独自の女性リーダーシップの焦点で、2012 年に慈善団体が設立されてから目的は同じままで、現在自然を当たり前のものと思っているのと同じように、自然に返すことを普通にするのを手助けすることです。

 どうして女性なのでしょうか?女性と自然は同じ歴史を共有していて、誰かに対してされていることはまた他の人に対してされているのです。今それを終える時です。自然界の代表としてたつ女性は同時に、愛の延長上として、自分たちと子どもの代表でもあります。研究によると、女性は男性よりも気候変動の影響を不釣り合いなほどに受けています。知られるように、女性の生まれ持ったストレスへのホルモン反応は支配的ではなく協力的であり、このことは不確かな気候変動する世界で大いに重要な性質なのです。「TreeSisters」は特に家族と離れて暮らすことが多く、女性間の関わりが少ない西洋の女性に、所属できて偽りのない女性の仲間意識がもてる場所を提供しています。

 私たちの最も遠大な運動は、「Grow Your Own Forest(あなた自身の森を育てましょう)」で、そこでは寄付が数多くの植林に変化します。毎月増えていくので、私たちのサポーターは自分たちの森がアマゾン、ブラジル、カメルーン、ケニア、モザンビーク、マダガスカル、インド、ネパールと西パプアで 10 もの生態系にわたって育っているのを見ることができます。

 空気中の二酸化炭素は 350ppm が安全なレベルと考えられていましたが、私たちの世界は 500ppm にどんどん近づいています。広範囲に森林再生することで自然本来のメカニズムで二酸化炭素を抑えて気候を安定させることができるという認識が広まってきているのに、森林伐採の割合は高まり、過剰な CO2 は海を酸性化しており、その結果サンゴの 80% は死んでいるか死にかけています。時間、循環の仕組み、私たち自身の自己満足との戦いで、それが私たちが勝たねばならない相手です。もし私たちが共同して世界的な森林再生を引き受けて、今すぐ出来る限りのお返しを開始し、再び世界に森林 [という衣] をまとわせて地球が自分で冷やせるようにすれば、勝てる競争だと思います。

クレア・デュボア (Clare Dubois) は社会起業家で「TreeSisters」の創設者です。www.treesisters.org/

Power Plants for the Future • Clare Dubois

The Founder of Tree Sisters shares her tree-planting mission

319: MarApr2020 

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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