声をあげるとき

怠慢。搾取。トラウマ。苦しみ。もし母なる地球が泣くなら(そう、あなたが深く耳を傾ければ、彼女が泣いていると分かるに違いない)、これまで多くの女性が泣いてきたのと同じ理由であり、これからも泣き続けるだろう。

 女性だけではない。もちろん。

 地球と女性の悲しみもまた、特別な絡み合いを共有している。 国際女性デーにちなみ、今号ではテーマやその他のページで、地球と女性の悲しみをやさしく探っている。

 普段の雑念を断ち切って、詩人ナディア・コルバーン(Nadia Colburn)の「スローな読み物 」コーナーを読みながら、この地球という故郷で分かち合う人生の織物の中に自らの物語を織り込んできた、あなた自身の先祖を含む女性たちを偲んでみてはいかがだろうか。おそらく彼女たちは、そして今、あなたもまた、ナディアが語る地球との深い身体的なつながりの場所にようやくたどり着き、深い苦しみと悲しみの結果、そこに自分自身を見出したのだろう。そうでないとしても、おそらくあなたは今、その途上にいる。ナディアは、愛に対する私たちの集団的な叫び(これもまた、私たち全員が聞くことができることだが)についても語り、思いやりとつながりのある文化に戻りたいという私たちの共通の願いについても語っている。

 私たちの特別なテーマでは、女性たちが押しつけられた沈黙を破り、声を出して、あるいは言葉を使わずに、あるいは芸術や工芸品(52ページの赤いドレスの特集をご参照)を通して話し、常に選択と行動を通して、自由を見出したときに何が起こるかをさらに探求する。自分の声を見つけることが、その大小にかかわらず、有意義な変化をもたらす前兆であることを、私たちは目の当たりにしている。

 知恵と幸福のコーナーでは、現代のカバラ教師であるマイク・ベイス(Mike Bais)が、その信仰の道における神聖なる女性の役割を探求し、芸術と文化のコーナーでは、作家でありライティング・リトリートのファシリテーターであるハリエット・グリフィー(Harriet Griffey)が、過去から現在に至るまで、最も愛されている女性ネイチャー・ライターの多くが、4つの壁の枠から(文字通り)一歩外に出て、私たちが自然と呼ぶ空間と意味のある関係を築いたときに初めて、発言する自由を見出したことを発見する。

 当トラストの会長であるジェームズ・セインズベリー(James Sainsbury)が6ページの行動への呼びかけの中で語っているように、私たちが語るとき、私たちが何者であり、何に関心を持ち、何のために行動しているのかを示す。これこそが、リサージェンス・トラストの深い仕事だ。

 そしてもちろん、発言し続けるという決意で知られ、大きな尊敬を集めているのは、50年以上にわたって本誌を編集してきたサティシュ・クマールであり、最近『ガーディアン』紙のインタビューを受けた。記事は歓びとともに抜粋して再掲した。特に、彼の物語全体を知らないであろう新しい読者に向けたものだ。

 おそらくあなたはいつも、言葉を使わず、ただ行動によって語ることを好むだろう。もちろん誰よりも大声で、より良い変革への道を歩みつつ。

 私たちが声をあげるとき、私たちはコミュニティを築き、招き、私たちの共通の基盤が、私たちを隔てているものよりもずっと大きなものであることをすぐに発見する。

 声をあげるとき。今、必須だから。

スーザン・クラーク

リサージェンス&エコロジスト誌の編集者

(翻訳校正:沓名 輝政)

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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