成功へのガイド


ジョージ・ラミングがアクティビズムに関するインスピレーションに富んだ本を喜ばしく受け入れている。

翻訳:舘林 愛

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『実現させよう〜活動家になるには』

アミカ・ジョージ 著

Make It Happen: How to Be an Activist

Amika George

HQ, 202.

ISBN: 9780008377601

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 今日にあっては、まるで、インスタグラムのアカウントを持つ誰もが活動家になれるような感覚があります。しかし、多くの若い運動家が気づいているように、実際に変化を起こすのは第一印象よりもはるかに困難です。

 『実現させよう〜活動家になるには』の中で、アミカ・ジョージは、彼女自身の「#FreePeriods」(無料の生理用品)というゲームチェンジを起こす活動から学んだ経験を紹介しながら、変化を起こすための重要なガイドブックを提供しています。

 ジョージは、少女たちが生理用品を購入する金銭的余裕がないため、学校を休むという記事を読んだ後で、わずか 17 歳の時に活動を立ち上げました。短い 3 年の間に、彼女は北ロンドンのベッドルームでの請願から、ダウニング街 10 番地(首相官邸)の外での抗議や、高明な法廷弁護士たちとの法的な活動、そして最終的に 2020 年の 1 月、政府が、国内全域の学校で無料の生理用品を保証する計画を実施するに至るまで活動を主導しました。

 同著『実現させよう』は全ての良い運動は一つのシンプルなアイデアから始まっていることを示しています。しかし、ジョージは活動方法からの学びをこの上なくシェアしています。どのように始めたら良いかについて、たくさんの実用的な示唆の詰まった彼女の本ですが、希望に満ちた活動家たちに「署名活動を始めれば、その問題が一気に世間の注目を浴びるようになる」と教えようとはしていません。

 その代わりに、ジョージは活動を開始するための各部分を清々しい正直さで解説しています。どこで間違えたのかを認め、どこで彼女のフェミニズムが発展してきたか、そして変化を生み出す活動の裏にあるリアルな労力についてシェアしています。

 『実現させよう』は寛大です。同著の中でジョージはあなたの良き友、擁護者、そしてメンターなのです。どの様に抜かりなく請願書を書くか、メディアで発言するための手順、そして抗議運動からどの様に手を引くのかといった情報をシェアしてくれています。彼女は活動家たちに、地域のことを考え、インスピレーションを地域の中に求め、小さくスタートすることを促しています。惜しみなく詳細を述べていて、生理の貧困に対しての彼女のアプローチがどの様に進化したか解説し、スタート時にリサーチがいかに大切であるかを強調しています。

 ジョージのフェミニズムはこの本を通して輝いています。新進気鋭の活動家や、経験豊かな運動家との対談でも、臆することなく彼女はスポットライトを共有し、一過性のものよりむしろ、運動全体から学びを引き出しています。セイ・アキウォウォ(Seyi Akiwowo)、ギャビー・エドリン(Gabby Edlin)、ジーナ・マーティン(Gina Martin)らとの対談で、いかに協力的で集団的なフェミニスト運動が可能であるかを高らかに伝え、しかし、活動から自分の距離を保つことも重要であると強調しています。

 『実現させよう』は次のレベルに移行したいと考えている、あらゆるフェミニストにとって重要な読み物です。アミカ・ジョージは、まさに運動とはどうあるべきか、率直で、実用的、かつ思いやりに溢れたガイドを書き上げました。運動とは、接点が多く、話題にしやすく、そして何より重要なのは、希望に満ちているべきです。

ジョージ・ラミング(Georgie Laming)は活動家で、www.georgielaming.com のウェブサイトに執筆している。

A Guide to Success • Georgie Laming



リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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