気候不安という茨の道を進み、解決策を探る
多くのアーティストやクリエイターが、真っ白なキャンバスや石の塊、あるいは耕したばかりの野菜畑に近づくとき、そのスペースに「到着」し、住処を見つけようとしている「もの」は、私たちの集合意識のフィールドと呼べるもののどこかにすでに存在している、と言うのを聞いたことがある。
これは、ターナー賞を受賞したアーティスト、ジェレミー・デラーとの特別インタビューが本号の芸術&文化のコーナーで探求している「芸術作品を中心に、一時的であれコミュニティが形成される」という考え方とともに、私自身の物書き、本誌の共同制作の際に、私が長い間抱いてきた考え方のひとつだ。
それは、本当においしい天然酵母のパンを作るようなものだと考えてもよいだろう。「本当においしい」というのは、自分が邪魔をせず、その環境にいる野生の酵母が働くのを許すかどうかにかかっている。手間をかければかけるほど、出来上がったパンは本物の天然酵母の味にはならないし、見た目も悪くなる。そのために必要なのは、パン職人がそのプロセスを十分に信頼し、酵母の出現を許すことなのだ。
そして、気候変動への不安という茨の道を探る(もう少し前向きに言えば、その不安を乗り切る)本誌の今号についても、私は間違いなく同じことを言うことができる。というのも、本誌の使命は、これまでと同様、道半ばにいる人々の解決策を探ることによって、互いに前進し続けるよう励まし合うことであり、そうすることによって、すべての人々のための持続可能で公平な未来への希望を共有し続けることだからだ。
私たちはこのテーマを探し求めたわけではなく、このテーマが私たちを見つけ、(私たちの手助けもあって)どうにかまとまったのだ。私たちが最も早く受け取った記事のひとつは、気候変動による大災害の脅威を乗り越える道筋としての「正しい行動」というヨガの概念に関するもので、この記事は、私たちのテーマが見つかるずっと前に、その著者であるヘレン・クレイによって投稿されたものだった。テーマが私たちを見つけるずっと前に、ヘレン・クレイが投稿してくれたものだ!
とにかく、28ページから41ページに掲載されている、若い(そして受賞歴のある)気候変動活動家たちが私たちと分かち合っているすべての解決策についてどう思うか、また「ソラスタルジア」という新たな概念(私にとってはそうであったように、あなたにとっても新しい概念かもしれない)があなたにどのように響くか、読んでみてください。
毎号、私たちが発表し、皆さんと分かち合っていることはすべて、皆さんがご自由にさらに探求していただくための招待状として誌面に掲載している。そして私は、次回の準備のためにすでに現場で待機している「もの」が、2024年1月号/2月号のテーマである「能動的希望」であることを分かち合えることを嬉しく思っています!
そして、楽しい祝祭シーズンをお過ごしください。年末のご褒美にどうぞ。どのような形で大転換期を迎えるにせよ、素晴らしい新年をお迎えください。
スーザン・クラーク
リサージェンス&エコロジスト誌の編集者
(翻訳校正:沓名 輝政)
0コメント