私たちは自分が食べたものでできている

翻訳:馬場 汐梨

新たな 10 年と、英国と世界の未来への新しい前途(COP25 の後に続いて、海への注目がより高まることを願っています)を迎えます。1 年のこの時期よく聞かれるように、内省と心身の改善のためにライフスタイルを変えることを考えるよい機会です。おそらく、自分のお皿にのるものを見直すのがよいスタートでしょう。

 インスピレーションのために、イワシ好きのガラパゴス諸島の住人、アオアシカツオドリについて静かに考えてみる時間をお勧めします。

 足を高く上げて踊る求愛ダンスの間、オスのカツオドリはその足の青さを見せます。きちんとした理由があります。研究によると、足が青ければ青いほど、オスは健康的で父親としての技能に優れていることが分かっています。色そのものはカロテノイド色素で、鳥が食事から得るものです。1960 年代から個体数が 4 分の 1 以上減り、悲観した研究者たちは、それがイワシの数の減少と海のプラスチックの増加によると考えています。

 このことが新年の決意に何の関係があるのかと聞きたくなることでしょう。人間では、私たちが食べたものと食べなかったものは必ずしも私たちの人格には反映されません。しかし、私たちの環境にはそれが見られます。大豆のプランテーションのために熱帯雨林の燻された跡(最前線ページの「Bolsonaro wins 'Racist of the Year' award(ボルソナーロが人種差別賞を受賞)」をご参照)、乱獲された海、集約農業からの流出 …

 では、私たちがこの破壊の多くを支えているものをやめてヴィーガン(完全菜食主義者)になったらどうでしょうか?リサージェンス&エコロジスト誌の今号ではこの疑問について探ります。テレビ司会者のクリス・パッカム (Chris Packham) と彼のヴィーガンの旅について話し、気候危機を軽減するうえでのヴィーガン主義の影響について目を向け、ジャイナ教の信仰者の多くが乳製品を摂らないのは何故なのかを突き止めます。

 この雑誌の記事のいくつかで私たちはその他のライフスタイルを選択する影響について目を向けます。ノルウェーのファストファッションを選ばない展示会(芸術ページ:「スタイルの問い」)から、カルム・ハーヴェイ=スコールズ (Calum Harvey-Scholes) による航空産業の破壊的な性質とどうすれば公正な輸送システムを構築できるかについての議論(基調ページ:「 Flying in the Face of Reason(分別をもって飛ぶこと)」)まで。ミリアム・ソレル (Miriam Sorrell) と共に美味しいヴィーガンの豆のご馳走を盛り付けて、詩人マット・ハーヴェイ (Matt Harvey) と風力発動機のブーンという音を楽しむ時間をとりましょう。

 私たちの足の色に食事の影響を見ることはできないでしょうが、足跡(フットプリント)には必ず見ることができます。新たな 10 年に進む今、これらの足跡を振り返って学ぶことを期待しましょう。

マリアン・ブラウン は、リサージェンス&エコロジスト誌の編集者です。

globalclimatestrike.net

tinyurl.com/popping-rhubarb


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318: Jan/Feb 2020

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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