ゆく年くる年
翻訳:斉藤 孝子
メリークリスマス、そして新年おめでとうございます。リサージェンス・エコロジストの当1/2月号は、クリスマス/新年に合わせての発行です。昔から、殆どの人が、この時期、過ぎゆく年を振り返り、次の12ヶ月を楽しみに待ちます。今号の私たちも同様です。
嬉しく思い出すのは、たくさんの著名な寄稿者の方々が、弊誌の為に、ブックスオブザイヤーを選んで下さったことです。正直なところ、そのノミネート作品のリストがリサージェンス事務所に届く頃、私はいつも複雑な心境なのです。もしその素晴らしい作品をまだ読んでないと気が咎めます。でもそれは、来年こそは必ず読むぞ!という思いに取って代わります。今年の作品は驚くほど色々な分野にわたっており、私のような新年の目標ばかりか、今年最後の贈り物にしたくなること、間違いなしでしょう。
オープニングの特集では、フィリップ・アッカーマン・リー (Philip Ackerman-Leist)が、過去と未来を見つめます。彼の報告、『シーツをバナーに (Turning Bed Sheets into Banners) 』はある小さなコミュニティが、汚染の潮流、つまり伝統的農法や人々の健康を脅かす殺虫剤ベースの農法、を阻止する為にどのように団結したかを伝えます。それは刺激的なリポートで、今後至る所で活動家たちを力づけてくれそうです。
この時期にふさわしく、神秘や不思議の感性についてもページを充てています。リサージェンスの詩歌入賞作品は、静なる美の作品です。デイビッド・E・クーパー(David E Cooper) は、その基調エッセイで、庭と庭仕事に焦点を当て、歓喜なる命の神秘への感性を育てることが必要だと分析します。別のページではサティシュ・クマールが普遍的な愛の力を感じることについて考えます。瞑想のページでは、ひと雫の中に、移り行き、けれど永遠である世界が、ピーター・リーズン (Peter Reason) の目に映ります。
他方、私たちは喫緊の問題も検証します。カタロニアからジョルディ・ピゲム (Jordi Pigem) が生態学及び文化的な観点から理解される独立運動の必要性を訴えます。マリアナ・ブラウン(Marianne Brown)は、一部タブロイド紙にありがちな「ヘイトスピーチ」に反対する運動を仲間と共に立ち上げた人物にインタビューします。
また、デイビッド・ジョンソンとカリーナ・ハーシュ (Carina Hirsch) は、長年の扱いにくい問題を取り上げ、人口と環境問題ついて、共通の原因を探り出そうと討論します。豊かな西側諸国が今なお、途上国よりはるかに多くの地球資源を消費していますが、これには諸説紛々で、議論は間違いなく白熱する一方でしょう。
最後に、私たちリサージェンスが、2018年を楽しみにする特別な理由が幾つかあります。8ページでご覧頂けますが、リサージェンス・トラストは新たな本拠地に移る為の寄付をお願いする運びとなりました。弊誌が半世紀の間、拠って立って来たさまざまな主張と共に、その本拠地が教育・環境・芸術の中心となってゆけばと思います。皆様のご支援のもと、2018年が正に本当の意味での復興の年となりますよう、切に願っております。
読者の皆様にとって、平和で歓びに満ちた新年となりますように。
A Time to Take Stock • Greg Neale
Reflections on the year and future plans
306: Jan/Feb 2018
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