変わりゆく世界の新たな希望

悪いニュース以上に喚起されるような兆しあり。

春の兆し(北半球の読者にとっては)と相まって、感じているのは、強い希望と実現性の意識で、これらは今号のリサージェンス & エコロジストにあります。これらが出版した記事の多くから派生したものであれば良いと思います。また、記事がもたらすインスピレーションが起こり得る事も願っています。

 故に、悪いニュース報道を避けません。日々の新聞やテレビ画面で充分に見られますから。 しかし、私たちは代案を探してもいます。前向きな出来事によくある代案で、主流メディアのレーダーの下をかいくぐっています。今号の活動最前線のページでレポートするのは、価値ある最近のライト・ライブリフッド賞です。この賞は、主要な活動家に対し、環境、人権、情報の自由に関して表彰するもの。加えて、オランダの自転車道、エチオピアのオフグリッドエネルギーやブリストルのバイオガス燃料のバスなどと同様に多様なエコ技術の適用例。それから、これは元気倍増ですが、勝利のレポート(現時点では)。カナダ北東部の活動家が、ピール分水嶺 (Peel Watershed) を守るのに奮戦しています。昨年苦闘ぶりを特集した人です。

 特集記事には同様に楽観的な見方があります。トニー・ジュニパー (Tony Juniper) は、自然の授粉者について経済並びに環境の意見を述べています。イザベラ・ツリー (Isabella Tree) は、田舎を元の野生環境に戻す自身の活動についてレポートしています。また、アンドリュー・ワスリー (Andrew Wasley) は 、地域で食料を供給する小規模な仕組みを賞賛しています。国際的なレポートとして、 ピーター・ポファム (Peter Popham) は、日本が再軍備に抵抗する理由について意見を述べています。歴史を振り返り、マシュー・フォックス (Matthew Fox) は、中世の神秘主義者マイスター・エカート ( Meister Eckhart) の現代との関連性を明らかにしています。

 歴史的な類似性も見られるのは、ジェレミー・シーブルック (Jeremy Seabrook) の思慮深い論説で、彼が英国の社会福祉状況を論じているのに対して、論評ページで、ジョナサン・ポリット (Jonathon Porritt) は、新しい研究を吟味しています。 ここ数10年、いかに政治家や企業が、限りある地球上の経済成長の限界を否定しようとしてきたのかという研究です。

 もし、私たちがそのような破滅の道から離れるとすると、自然との関係、他者との関係について新しい信念を明言する必要があります。今号の基本理念のページには、ジョナサン・ドーソン (Jonathan Dawson) がこの「新しい物語」がどのようになるのかを明示しています。

 そのような考えには好機です。春は新しい命をもたらすのが当然ですから。今号でも、定例の記事が種々あります。レオ・ジョンソン (Leo Johnson) の日記、不屈のサティシュ・クマール (Satish Kumar) の新たなコラム、それからアムネスティ・インターナショナルの支援による特集で、リサージェンス誌の読者に世界中の人たちとの連帯を態度で示す機会を与えています。その人たちとは、環境、社会正義、良心的主張のための非暴力による活動のかどで迫害されている人たちです。

 最後ですが、春の花盛りのように、芸術ページとイラストで私たちを取り巻くあらゆる美や将来性ある世界の気配に気付かされます。今号をどうぞお愉しみください。

グレッグ・ニール (Greg Neale)

編集者


New Hope in a Changing World • Greg Neale

Beyond the bad news, there are stirrings of inspiring possibility

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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