5G量産の山積する懸念

活動家リン・ウィチャーリーからの最新のまとめ。

翻訳:沓名 輝政

明らかに地方自治体の力がわずかしか及ばないところで5G(第5世代)モバイル接続を展開する動きは、米国の健康活動家の間で深刻な懸念を引き起こしています。 元通信業界の弁護士を議長とする連邦通信委員会(FCC)は、許可を急いで通過させ、業界の手数料を削減し、5G 鉄塔を公共の柱、建造物および(寝室の近辺まで及ぶ)線路敷設権に効果的に配置することを提案しました。 2016年のエコロジストで報告されているように、科学者たちは、より高い周波数の5Gが昆虫、葉、目、および皮膚に危険をもたらす可能性があると警告しています。そのパルスとエネルギーが表面組織に集中するためです。

 全米市長会議、全米都市連盟、ネイティブアメリカンの部族、その他の集団が、地域の統制を守るために法的措置を取っています。 フィラデルフィア市議会議員の弁護士は、「市の150万人以上の住民と4300万人の年間訪問者の健康、安全、福祉を守る」ために規制が必要であると述べています。 環境問題のチャンピオンである上院議員のリチャード・ブルーメンソール (Richard Blumenthal) は、FCCに5Gの安全性を証明するよう要求しました。「(5Gが)癌や他の病気を引き起こす可能性があるかどうかを知る必要があるのです」

 欧州委員会向けの彼の90ページの報告書「5G: Great Risk for EU, US and International Health(5G:EU、米国および国際保健にとっての大きなリスク)」において、生化学教授のマーティン・ポール (Martin Pall) は5Gが「特に危険」であり、密集したアンテナと高いパルスレベルに公衆をさらすと予測しています。 ポールは、無線による被ばくの増加による広範囲の疾病リスクを指摘する、多数の研究論文で引用されている危害の主要なメカニズムを明らかにしました。

 39カ国200人以上の科学者や医師によって署名された、EUにおける5Gを実行猶予するという継続的な訴えは、無数の5Gアンテナと「スマート」オブジェクト(「モノのインターネット」)の送信が正味の「無線電磁波への曝露」の必然的な増加を生み出すであろうと警告しています。 有線技術のさらなる利用が求められます。 よく引き合いに出される「Stop 5G Appeal」も同様に多くの医師の支持を集めており、20,000個の5G衛星を次々と打ち上げる計画には生命およびオゾン層へのリスクがあると考えています。

 英国では、他の国と同様に、5Gテストゾーンが増殖しており、生態学的監視や健康監視は行われていません。 英国の慈善団体 Buglife の CEO マット・シャードロウ (Matt Shardlow) は、「WiFiと5Gの有り余るカバー領域」から過密な曝露が予測されると警告しました。「人間が電磁波を見ることができないからといって、動物が神経や細胞レベルで大きな影響を与えられないという意味にはなりません」

 衝動を抑えられなくなるビデオゲームは世界保健機関によって疾病に分類されていますが、5Gはあらゆる可能な環境で大容量のビデオファイルをスマートフォンに供給することを加速するのです。 カリフォルニア大学バークレー校の健康調査責任者、ジョエル・モスコウィッツ (Joel Moskowitz) は、5Gの導入は「すべての種の健康に関する大規模な実験となる」と警告しています。

リン・ウィチャーリー (Lynne Wycherley) は、6つの選集の出版実績のある、大自然の詩人です。 彼女は何年もの間、非電離放射線を調査してきました。 彼女の新しい詩集「The Testimony of the Trees(木の証言)」は、2019年3月/ 4月号の詩のページに掲載されました。

313: Mar/Apr 2019

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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