全てはひとつ

翻訳:佐藤 靖子

落葉樹のように、私は秋の活動休止の期間に入り、どんよりとした霞んだ朝にやる気を出そう ともがいています。とはいえ、自分の周りの多くの生命も、こうした状態にあるとわかりほっと しています。繭で覆われているものもあれば、積み上げられた丸太の中で丸まっているもの、別 の心地よい温かい場所を探しているものもいます。生命の形は異なるかもしれませんが、私たち は同じシステムの一部です。本号で讃えているのは、こうした一体性の感覚です。 世界はひとつの状態で始まり、後に相反するものに分かれた、とスウェーデンの画家、ヒルマ・ アフ・クリントは信じていました。彼女の力強い抽象画を、本誌の「芸術」セクションで見てい きます。私たちあらゆるものの起源の物語はまた「基調」の主題です。その中で、マイケル・バ レット (Michael Barrett) は、創世記を通じて解釈されているように人間と自然の二分法、そして 人新世の時代にいかに私たちが生きている地球の人間以外のものを「支配する」という概念から 離れ、つながりを強調する必要があるかを考察します。

 「倫理的生活」では、スー・キトウ (Sue Kittow) が、一人で歩くという行為がいかに一体感を育むかを語っています。また、 「底流」ではアンドリュー・パップワース (Andrew Papworth) とティム・フィッシャー (Tim Fisher) が、全員の声を聞こうとするマ オリ族の文化から学ぶ家族の揉め事への対処方法をシェアします。 「団結すれば耐え、分裂すれば倒れる。」これは「エコロジスト」のインタビューの中心にあるメッセージです。その中で、シ ニア環境コンサルタントのスザンヌ・ダリワル (Suzanne Dhaliwal) は環境保護運動における人種差別を指摘し、反弾圧と説明責任 について話し合う安全な場を作るよう呼びかけています。私たちには創ろうとしている世界の鏡となる組織化のモデルが必要です、 と彼女は言います。「物事について話し合いを続けましょう」と呼びかけます。そして聞き続けましょう。 彼女の言葉は、キバシリやエナガ、ミソサザイなど冬の小さな鳥を思い起こさせます。鳥たちは群れて餌を見つけるチャンスを 増やし、捕食者の攻撃を乗り越えます。今後の世界の状況に前もって備える時、彼らの例に学ぶことができると思いたいです。

マリアンヌ・ブラウン

副編集長

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All Is One • Marianne Brown

Celebrating a sense of unity

311:NovDec2018

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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