流れを変える瞬間
水の需要はネットゼロへの道のりで重大な盲点だとアダム・ウェントワースは述べている。
翻訳・校正:馬場 汐梨・沓名 輝政
長期にわたる旱魃と熱波により、作物は台無しになり、交易路は混乱し、注水管は禁止されることになりました。ヨーロッパは酷い目にあう夏でした。
極めて重要な経済の水路であるライン川は、何ヶ月も雨が降らない状況に苦しみました。フランスのロワール川は場所によってはほとんど干からびています。そしてドナウ川は10のヨーロッパの国々を通過して、ウクライナへの戦略的に重要な役割を果たしていますが、歴史的に低い水位になっています。
ひび割れた川底や汚れた芝地は、私たちの自然環境の理解の仕方に直ちに影響をもたらします。私たちは、経済を成り立たせてくれる規則正しい降雨がなければ無力です。
水の需要を管理するのは複雑な仕事ですが、私たちはその困難に挑戦することができないこともしばしばです。例えばイングランドとウェールズでは、全供給の20%と同量にあたる30億リットルの水が毎日漏出しています。そういった高品質の水が使用できるということは、もはや当たり前ではありません。10年前に遡るNASAの研究で、世界の37の大帯水層のうち21が持続可能な転換点を超えてしまっており、13は著しい窮状に陥っていると考えられています。
簡単に言うと、問題は高い需要、貧弱な管理と荒れる気候です。そしてこれまでのところ、問題解決に向けてほとんど進歩していません。国連は2015年から2018年の間に、主要な経済民の間で水の効率性が9%しか向上していないと突き止めています。
私たちが水の枯渇への取り組みに失敗している理由の一つは、気候にだけ着目していることです。炭素排出量を減らすことへの向こう見ずな急行により、私たちは自分達の自然への需要の間の重要な繋がり:森林破壊が降水量に影響し、気候変動が水資源に作用するということを無視してきました。
解決策も同様に共依存です。エネルギー消費は世界の温室効果ガス排出量の73%にあたり、各国政府は、ゼロエミッションを達成するたに、再生可能エネルギーや原子力などの主流技術に加え、グリーン水素のような新しい解決策に注目してます。
これらは現存する高炭素社会の整理:原材料、製造ライン、水消費の著しいレベル、を必要とする、大きく、大胆な技術的な進歩です。同時に、水の増加した需要を満たすために供給を改善するには、さらに多くのエネルギーが必要となります。これはいわゆる水とエネルギーの関連性で、言い換えると、水とエネルギーはお互いを必要とするということです。
国際エネルギー機関の近年の調査によれば、水の枯渇は既にエネルギー生産と信頼性に影響を及ぼしています。水の供給が減ると、私たちは海水への依存度を増しますし、海水を使えるようにするまでエネルギー集約型の淡水化を必要とします。この圧力は2040年までに電力消費を80%増やすことになるでしょう。。。
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