つましさだけがサステナブルで満ち足りた未来をもたらす

私たち、そして地球にとってよりよい暮らしのビジョンをピーター・ストローザーが語る

翻訳:佐藤 靖子

私たちは厄介で分断された上に変に浮ついた時代に生きています。私たちが実際に感じる現実は、どの意識レベルでも私たちの本来の姿と対立しています。それは私たちがはたして誰と共にあるかということです。確かに、声を大にして、そうだと確信できそうです。と言うのも、この頃は私たちの哀れみ深く献身的で満ち足りた魂が往々にして苦しめられ悩まされているから。私たち全てを支えるこの地球との本来のつながりは言うまでもありません。

 私たちは物事が対立を生み、混乱し、実際危険になることをどう許してきたのでしょうか?私たちの多くにとって人生の奇跡に他ならないものに致命的なダメージを与える前に、私たちの暮らしを真に共にあるものと再統合することは可能でしょうか?

 まず初めにそれは、もちろん、私たちの究極のアイデンティティが、この世界が私たちを結びつけている表面上のもの以上のものであることを単に信頼するだけでなく、経験し認めることが不可欠です。何世代もの多くの人々がそうであったように、私たちがこの地球上にいる本来の一番の理由は、私たちの究極のアイデンティティを理解し、それを完全に表現することです。

 まさに、それは本質的に精神的な、ゆえに究極のアイデンティティの優れた本性を - 私たちをそこから引き離すために私たちが認めてきた全体のごまかしや誤解が何であれ - 受け入れることです。これは、自分たちのエゴの熱狂的で根本的に恐怖に駆られた要求によるものだけでなく、私たちを支配する - 経済組織や政治組織だけでなく悲惨なことに一部の宗教組織の - 果てしない欲求によるものです。

 それら全てが、私たちの精神的なアイデンティティ、そして次のような影響力とどれだけ異なるかについて対照的な特徴を際立たせます。それは、私たちを支配し隷属させようとするのではなく、私たちの中で共鳴するような真の方法で、私たちの永遠の一体化した魂に光を注ぎ、私たちを啓発、解放し、力を与えようとします。ですから、私たちは安心して、もっと謙虚に無私の精神を持って極めて公平に生きることができます。

 まさに私たちの在り方そのものが私たちの生き方を決定します。在るという感覚が占める時間の過ごし方ではなく。

 けれどもこれとは反対に、私たちの競争的な資本主義文化は、私たちの深いアイデンティティに特に関心がありません。それよりも、それ自身の目的のために私たちを利用します。私たちが本当に必要としていようといまいと、果てしない欠乏や欲求が絶え間ない絶望的な優先事項であるという集団的な思考様式の中に、不誠実に切望して私たちを押し込もうとします。

 この文化は、徹底して私たちに日々ますます多くの物を売買させ、直感的に足るを知らない、ゆえに不安定なシステムを維持させています。そのシステムは、世界の私たちの兄弟姉妹の破壊的なコストに対し私たちが私生活の中で経済的、物質的に蓄えなければならない - もちろん、必然的に負けざるを得ない人がいますが - とどれだけ言われるかについてだけでなく、しかも私たちの個々の国がこの形で存在するのを維持するのに必要だと説得される様々な度合いの破壊兵器に関するものです。私たちが元来依存しているこの惑星を維持するための投資に選ぶどんなものより、私たちは戦争の武器をはるかに重視するようになったように見えます。

 これは、特に私たちの精神が理解し単独で受け入れるには狂気の沙汰で悲劇的な異常事態です。特に、このあらゆる備蓄がやりそうなことは、私たちをもっとも心地良く感じるもの - 生来の内なる平和と私たちが万物と共有する調和 - からはるか遠くへ連れて行くことです。

 確かに、精神と蓄積の重視は、互いに反比例して作用するように見えます。皮肉にも、いっそう脅迫的で恐怖を抱かせる中毒性を持つ絶え間ない努力や消費の決して終わることのない循環によって、私たちがとても大事にしている満足感が与えられることは絶対にありません。反対に、多くを持たず、なしで済ませ、シェアする精神と調和した生き方により満足感を高められるのではないでしょうか。

 こうした生き方により、私たちはより深い意味や目的、そしてそう、人生における永遠の安心の重要な感覚さえも探求、発見し、育む、瞑想的な時間をより多く持てるようになります。特に、ガラスやレンガ、モルタルなどの風通しの悪い世界の外側、自然の永続的で調和した循環が私たちの魂そのものと相互にいやおうなく絶え間なく流れ始めるところで時間を持てる。そして、私たちの内にある精神的存在は呼び覚まされ、人類と私たちの地球全体の長期的な利益の共感の方向に私たちを鼓舞し勇気づける声と共に、私たちが話すこと、やること全てにおいて私たちと共に歩みます。

 これはアッシジの聖フランシスコやマハトマ・ガンジーの賢明な教えと一致しています。もちろん、これは今も、万人のニーズが個人の浪費的な貪欲さよりはるか最優先になることを強く求めています。ニーズは - それを信じようと信じまいと - 私たちの視点が代わりさえすれば、世界全体で今も満たすことができます。

 それは理想でフランシスコとガンジーの本質そのものであるだけでなく、彼らの生き方は私たちが今すぐ目を向けてまねるべきものです。どの局面においても彼らは個人の富や権力を求めず、彼らの生活は特定の時代をはるかに超えて響きわたる不変の影響力を生む質素やつましさを反映していました。

 実際、こうした生き方を苦しいとか耐え忍んでいるなどど感じるどころか、彼らがそこに内なる平和を見つけ、実のところそれを喜んで受け入れていたことを示す証拠がたくさんあります。彼らは私たちの多くも持っているものに気付きました。より多くの私たちに常に指図し、地球の減少していく資源を常に要求してきた苦難の道から私たちが最終的に外れる時、そして単なる長々とした言葉ではなく、無私の革新的な行動の中に内なる自信と落ち着きを私たちが表現する時、私たち全ての魂の内に鳴り響く真実性があるということです。

 それでも、結局これは、厳密には単に私たちの多くがするのを恐れていることというだけではなく、私たちが賢明または無知と感じるかもしれないということです。またその時、私たちが全ての人々の普遍的な利益のために作り上げたと感じる全ての個人の地位や名声を犠牲にして来たと感じるでしょうか? それは、実際に多くを求めず、在ることに重点を置いていくことで訪れる格別な心の平穏を見出すまでのことです。

 私たちの多くがとてもおびえているのも無理はありません。今日の社会のどこを見渡しても - 多くの宗教全体を含めて - 私たちの生き方を思い切って変えるべきという議論はほんのわずかしかありません。実際、環境運動や人権運動に携わる私たちの多くは、おそらく大部分の人々よりおしゃべりの時間が終わったことを理解しているにもかかわらず、必ずしも必要とされる革新的な行動を認識し向き合っていません。

 いずれの道に注目するとしても(とても長い間乱用されてきた)世界中の各個人の人権の統治権に関連するものであれ、私たちの惑星のサステナビリティに関連するものであれ、この蓄積された搾取的な生き方はいかにも過去のものです。恐怖心から来る私たちの過剰への執着は - そういうものなのですが - ただ克服されなければなりません。

 フランシスコやガンジーがしたように、もっと簡素でつましい、そしてそう、精神的に深い生活を享受し、しかもやがて、その解放を楽しむことで、私たちはもっと深く何かを求めなければなりません。私たちがまさに生き延びるためだけでなく私たちの魂を再び目覚めさせるために。

 エコロジーの守護聖人、聖フランシスコははるか昔にこれを理解していました。簡素で質素な生活によってのみ、おそらく私たちは全ての兄弟姉妹、そして自然全体とそれを共有できることを知っていました。フランシスコの昇天後、キリストの初期の信者もそうでした。使徒行伝に記載されています。

「信じた者の群れは、心を一つにし思いを一つにして、だれひとりその持ち物を自分のものだと主張する者がなく、いっさいの物を共有にしていた。。。彼らの中に乏しい者は、ひとりもいなかった。地所や家屋を持っている人たちは、それを売り、売った物の代金をもってきて、使徒たちの足もとに置いた。そしてそれぞれの必要に応じて、だれにでも分け与えられた。」(使徒行伝 4: 32–5, NIV)

 私たちが今これらの理想にどれだけ近づいて生活しなければならないかは、私たち全員が考慮すべき事柄です。ただそこへ向かうシフトは不可欠です。今すぐにでも。

ピーター・ストローザー (Peter Strother) はスピリチュアル活動家でジャーナリストです。新刊は「精神的な生き物か、経済の道具か:私たちは誰?(Spiritual Beings or Economic Tools: Just Who Are We?)」 (O-Books, 2018)」。www.peterstrother.wordpress.com

Article - Only Frugality offers us a sustainable and contented future • Peter Strother

A vision of a better life, for us and our planet.

305: Nov/Dec 2017

リサージェンス & エコロジスト 日本版

リサージェンス誌は、スモール・イズ・ビューティフルを提唱したE.F.シューマッハらが始めた社会変革雑誌で、サティシュ・クマールさんが主幹。英国で創刊50年、世界20カ国に読者4万人。環境運動の第一線で活躍するリーダーたちの、よりよい未来への提言で、考える糧を読者にお届け。また、詩や絵などのアートに溢れているのも特徴。

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