社会正義のためのキルト制作
パワフルな手段を通じて人種差別の話を語る女性たちをキャロリン・マ ズルーミが執筆します。
翻訳:舘林 愛
「ママ、ママ!」女性集団を動員するのに、子供たちの泣き声ほど効力を発揮するもの はありません。その泣き声は、今回のような時には武器をとるための呼びかけとして働 きかけます。ジョージ・フロイドの死に際の言葉は、アメリカの残虐行為、不平等、そ して人種差別という邪悪な三位一体に苦しみ、屈してきた全ての子供たちのために立ち 上がる火種となりました。母親の第一の本能とは、守って、癒し、そして教えることで す。これらは彼女の反三位一体のツールです。歴史的に、キルト制作は長い間、保護や 癒しを求める子供の泣き声に対して、また彼らの学習の必要性に対する母性反応として、これらのツールを連想させ るマザーアートとして行われてきました。 私は黒人差別待遇(ジム・クロウ法)のある隔離された南部で生まれたアフリカ系アメリカ人女性です。そして、 白人至上主義における心理的、肉体的な暴力の中を生き抜いています。白人達によって、アフリカ系アメリカ人達が ひどい扱いを受け、彼らに殺されたり、適切な住居や教育、保険医療へのアクセスを拒否されて来たのを見て育ちま した。アメリカの人種差別は増加していて、黒人狩は「解禁」となっています。 フロイドが殺されるビデオを見た後で、私は何日も泣いていました。フロイドが母親に助けを求めて泣き叫ぶ姿 は、私たち国家の腹の底から助けを求めて出てくる、喉奥から絞り出されるような象徴的な叫びを反映しています。 アフリカンアメリカンたちは、公正、正義、平等、そして野蛮な警官からの保護を大声で叫び求めています。その叫 びに応えようとして、また野蛮行為や、不公平、アメリカの人種差別について市民を教育するために、私は着想を得 て『We Are the Story』という人種差別や、警官による野蛮行為をテーマにした一連のキルト展を企画しました。この 展示はフロイドが殺害されたミネアポリスの様々な場所で催されます。私は、アーティストとして、またキュレー ターとして、アートは言葉だけでは不可能な方法で、スピリットに触れ、関わり、教育となり、さらには癒しとなる 力があると堅く信じています。
(以下略)
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