夜空の祭典
翻訳:沓名 輝政
タイトルのフレーズですが、多くの意味で、私たちは暗い時代に生きています。米国では、地球上の全生命を変える可能性のある選挙が行われています。英国では、ブレグジットの貿易取引が医療制度と農民の生活を脅かしています。世界中で火が燃え、氷が溶けています。北半球では、このようなムードとほぼ同調して、太陽を一周する一年の旅の中で最も暗い時期に入ります。葉が落ち、ヤマネやハリネズミは冬眠して冬を乗り切るためにボールのように丸まっています。
暗闇は未知の世界への不安と恐怖の時と言えるでしょう。しかし、心の外、星空の下では、何か他のことが起こっています。生命です。土の中では、ミミズが餌を求めて地上に出てきます。空には蛾やフクロウが飛び立ち、海では動物プランクトンが捕食者の群れに追われ、地球上で最大の移動をしながら浮上してきます。
今号の「リサージェンス & エコロジスト」では、この生きた闇の中で夜空を楽しむことにしました。リン・ホートン(Lynn Houghton)はスヴァールバルで極夜の気候変動に関するデータを収集している 2 人の科学者に会い、マット・ゴー(Matt Gaw)はなぜ私たちが光害から暗闇を守る必要があるのかを警告し、宇宙物理学者のクリスタル・デ・ナポリ(Krystal De Napoli)は暗闇の星座が数千年にわたりアボリジニの天文学の伝統にどのように影響を与えてきたのかを教えてくれます。また、栽培者のクレア・ラティノン(Claire Ratinon)からは、月によるガーデニングについてのヒントを聞き、ティファニー・フランシス・ベイカー(Tiffany Francis-Baker)が夜の散歩に連れて行ってくれます。
今号の記事のいくつかで、暗闇の中にある別の種類の光に注目しています。基調ページでは、アメリカの公民権弁護士ヴァレリー・カー(Valarie Kaur)が、社会的不正に対する怒りを革命的な愛に変えた方法を紹介しています。エコロジストのセクションでは、エマヌエラ・シンタ(Emmanuela Shinta)が、ダヤックの人々がインドネシアでどのように自分たちの土地を守っているかをザイオン・ライツ(Zion Lights)に伝え、アートのセクションでは、キャロリン・マズルーミ(Carolyn Mazloomi)が、強力な媒体であるキルティングを通してアメリカの人種差別の物語を語っている女性グループを紹介しています。これらの心を揺るがすような作品は、闇が落ちてくると、私たちは自分で用意したベッドに横たわっていることを思い出させてくれます。
闇は迫っていますが、私たちは自分自身の恐怖を超えて、信じられないような、美しく、つながっているような、そして何よりも素晴らしいのは、私たちがその一部であるという命を見つけるのです。
マリアン・ブラウン は、リサージェンス&エコロジスト誌の編集者です。
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